はじめに|「頑張っているのに戻らない」その違和感へ
産後、食事に気をつけている。運動も少しずつ始めている。
それなのに体重がまったく戻らない…
「自分の努力が足りないのかも」
「年齢のせい?」
そんなふうに自分を責めてしまう方も少なくありません。
ですが、理学療法士として多くの体を見てきた立場から断言します。

それは努力不足ではありません!
産後ダイエットがうまくいかない最大の理由は、「痩せられない体の状態」で痩せようとしていることにあります。
この記事では、なぜ産後は体重が戻りにくいのか、そして多くの人が見落としている“本当の原因”を、医療・身体の視点からわかりやすく解説します。
※この記事は「産後リカバリー」という考え方を前提にしています。初めての方は、先にこちらをご覧ください。
てんしょー
- 理学療法士としてヘルスケア領域に従事
- 体を壊さず整える、産後ケアの考え方を発信
- 医学的な視点からわかりやすく解説
産後に体重が戻らないのは「よくあること」

まず安心してほしいのは、産後に体重が戻らないのは珍しいことではないという点です。
妊娠・出産を経た体には、短期間で次のような変化が起こります。
- 骨盤・姿勢のバランス変化
- 筋肉の使い方の変化
- 呼吸の浅さ
- 内臓の位置や働きの変化
- 自律神経の乱れ
これらはすべて、「体が出産という大仕事を終えたあとの回復途中のサイン」です。
つまり、体重が戻らないのは「異常」ではなく、体がまだ回復を優先している状態だと言えます。
産後ダイエットで体重が戻らない「本当の理由」

理由①|体が「守りのモード」に入っている
産後の体は、無意識のうちに「これ以上ダメージを受けないようにしよう」とします。
これは元来、人間がもつ自然治癒力に関連する防御反応のようなものです。
防御反応が強い状態では、以下のような働きが起こります。
- エネルギー消費を抑える
- 筋肉を緊張させて体を守る
- 余分な脂肪を手放しにくくする
この状態で「運動量を増やす」「食事を減らす」といった刺激を加えると、体はさらに守りを固めてしまいます。
結果として、体重が落ちないで体型だけが崩れる・不調が増えるといった悪循環に陥りやすくなります。
理由②|「体重」だけを指標にしてしまっている
産後ダイエットでよくあるのが、体重だけを見て一喜一憂してしまうことです。
しかし産後の体では、筋肉の使われ方や姿勢・体の緊張状態が大きく変わっています。
そのため、体重は変わらないのに体型が崩れる、体重が減っても見た目が変わらないといったことが起こりやすくなります。
本来見るべきなのは、立ったときの姿勢や動いたときの快適さ、日常動作での疲れやすさといった体の状態そのものです。
理由③|回復より「痩せること」を優先してしまう
産後ダイエットが長引く最大の落とし穴は、回復を飛ばして結果を求めてしまうことです。
回復が不十分な状態では、正しく体を使えない・動いても効率が悪い・余計なところに負担がかかるなど、結果として「頑張っているのに変わらない」という状態が続いてしまいます。
これは意志の問題ではなく、順番の問題といえます。
解決の考え方|「痩せる前に整える」

ここで大切なのが、産後リカバリー という視点です。
産後リカバリーとは、「姿勢を整える」「呼吸を整える」「動作のクセを見直す」といった体の土台を回復させることを最優先に考えるアプローチです。
体が整ってくると、
- 無駄な力みが減る
- 日常動作が楽になる
- 自然とエネルギー消費が増える
などの変化が起こります。
結果として、「頑張らなくても体が変わり始める」状態に近づいていきます。
産後ダイエットで焦らなくていい理由

SNSでは、「〇ヶ月で−〇kg」「これだけで痩せる」といった情報が目に入ります。
ですが、回復のスピードは人それぞれです。
焦って結果を求めるほど、体は守りに入り回復が遅れるという逆効果が起こりやすくなります。
まずは、「今の体は回復途中なんだ」と認識すること。
それだけでも向き合い方は大きく変わります。
まとめ|体重が戻らないのは「サイン」
産後に体重が戻らないのは、あなたの体が発しているサインです。
「もっと休んでほしい」「まず整えてほしい」「順番を間違えないでほしい」
その声を無視してしまうと体は変わりにくくなります。
逆に、回復を優先すれば結果はあとから自然についてきます。
▶ 産後リカバリーとは?|体を壊さず整えるために理学療法士が伝えたいこと
▶ 産後ダイエットで体重が戻らない本当の理由
▶ 骨盤ケアをしても痩せない理由

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