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産後すぐ腹筋するのは危険?理学療法士が解説する産後の運動の考え方

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「産後のお腹を早くへこませたい!」

「出産したらすぐに腹筋を始めたほうがいい?」

そんなふうに考えている方もいるかもしれません。

妊娠前の体型に早く戻したいと思うのは自然なことです。

ただし、産後すぐの身体は、妊娠前と同じ状態ではありません。

そのため、産後の身体の状態を確認せずに、いきなり強い腹筋運動を始めるのはおすすめできません。

では、なぜ産後すぐの腹筋には注意が必要なのでしょうか?

てんしょー
てんしょー

今回は、理学療法士の視点から産後の腹筋運動で気をつけたいポイントと、運動を始めるときの考え方について解説します

※この記事は「産後リカバリー」という考え方を前提にしています。初めての方は、先にこちらをご覧ください。

この記事を書いてる人
  
  

てんしょー

 
      
  • 理学療法士としてヘルスケア領域に従事
  •   
  • 体を壊さず整える、産後ケアの考え方を発信
  •   
  • 医学的な視点からわかりやすく解説
  •  

産後すぐの腹筋は「絶対にNG」なの?

まず大切なのは、産後すぐは腹筋をしてはいけない、と一律に考える必要はないということです。

産後の経過や出産方法、体調には個人差があります。

一方で、産後直後は出産による身体への負担が残っており、腹部や骨盤周囲も大きく変化しています。

その状態で、

「お腹をへこませたいから、今日から腹筋100回!」

というような強い運動を始めるのは避けたほうがよいでしょう。

産後の運動では、「いつから腹筋をするか」だけではなく、「今の身体がどの程度の運動に耐えられる状態なのか」を考えることが重要です。

出産後は身体が回復している途中

妊娠・出産は、身体に大きな変化をもたらします。

出産後すぐは、身体が妊娠前の状態へ戻っていく過程にあります。

さらに、出産による疲労や睡眠不足なども重なります。

この時期に「体型を早く戻さなければ」と無理をすると、身体の回復を妨げてしまう可能性があります。

まずは休息や栄養を確保しながら、体調に合わせて少しずつ活動量を戻していくことが大切です。

お腹の筋肉も妊娠によって変化している

妊娠中は、お腹が大きくなることで腹部の筋肉が引き伸ばされます。

特に腹直筋の左右が離れる腹直筋離開が起こることがあります。

腹直筋離開そのものは、妊娠・出産に伴ってみられることのある身体の変化です。

ただし、産後すぐの段階では腹部の状態が妊娠前とは異なっているため、強い腹筋運動を行う前に、自分の身体がどのような状態なのかを確認することが重要です。

例えば、腹筋に力を入れたときにお腹の中央が大きく盛り上がるような場合は、無理に強い腹筋運動を続けるのではなく、一度専門家に相談してみてもよいでしょう。

「腹筋運動=お腹をへこませる」ではない

産後のお腹をへこませたいと考えると、すぐに腹筋運動を思い浮かべるかもしれません。

しかし、産後の体幹づくりでは、単純な腹筋の回数だけが重要なのではありません。

大切なのが、呼吸と腹圧をコントロールすることです。

腹圧とは、お腹の中に生じる圧力のことで、身体を安定させる働きがあります。

産後はまず、呼吸を止めずにお腹周りを適切に使えることを目指すことが大切です。

「強い腹筋を作る」より先に、「身体を安定させるために腹部を使える状態」を取り戻していくイメージです。

産後は「腹筋の回数」より身体全体を見る

産後の身体は、お腹だけが変化しているわけではありません。

骨盤や姿勢、股関節、背中など、身体全体の使い方が変わっていることがあります。

例えば、抱っこをするときに腰を反らせる癖がついていたり、授乳中に背中を丸めた姿勢が続いていたりすることもあります。

そのため、腹筋だけを鍛えても、日常生活で身体の使い方が変わらなければ、腰痛やお腹のぽっこり感などが残る場合があります。

産後の運動は、「お腹だけを鍛える」のではなく、「身体全体を整える」視点を持つことが大切です。

産後の腹筋はいつから始めればいい?

「では、産後何日・何週間から腹筋をしていいの?」

と気になるところですが、全員に当てはまる一つの答えがあるわけではありません。

出産方法や産後の経過、傷の状態、痛みや出血の有無、体力などによっても異なります。

そのため、産後の健診などで身体の状態を確認し、医療者から運動について指示を受けている場合は、それを優先しましょう。

運動を再開するときも、最初から負荷の高い腹筋運動をするのではなく、

呼吸 → 軽い体幹運動 → 日常生活での活動 → 筋力トレーニング

というように、身体の反応を確認しながら段階的に進めていくことが大切です。

こんな症状があるときは無理をしない

運動中や運動後に

  • 痛みが強くなる
  • 出血が増える
  • 傷の周辺に強い痛みがある
  • 骨盤周囲に強い違和感がある
  • 尿漏れなどの症状が悪化する
  • 強い疲労感が続く

といった変化がある場合は、運動を中止して身体を休めましょう。

症状が続く場合や気になる場合は、自己判断で運動を続けず、医療機関などに相談することをおすすめします。

まとめ|産後すぐは「鍛える」より「回復」を優先しよう

産後すぐの腹筋は、すべての人にとって危険というわけではありません。

しかし、産後の身体は妊娠前とは大きく異なり、回復途中でもあります。

だからこそ、

「産後だから腹筋をしなければ」

と焦る必要はありません。

まずは身体の回復を優先し、呼吸や姿勢、日常生活での身体の使い方を整えていきましょう。

そして、身体の状態に合わせて少しずつ運動の負荷を上げていく。

これが産後リカバリーでは大切な考え方です。

「早くお腹をへこませたい」という気持ちだけで無理をするのではなく、将来的にしっかり動ける身体を作るために、今の身体に必要なことから始める。

それが、産後の身体を長く大切にすることにつながります。

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